TC(温度管理機能)を用いたコットンバーンテストにおいて、あろうことかコットンが炎上してしまったM80PLUSの悲劇により一気に失墜した感のあるメーカー、SMOK。
ここ最近チャイナオーセンのBOX MODはTC標準装備がデファクトスタンダード化しつつあり、各社とも自社チップまたはevolvやYiHiなどの著名なチップを搭載したTC MODをリリースしまくっています。
こういった中国電子タバコ市場の状況に危惧したのか、SMOKはKOOPORなるブランドを新たに立ち上げ、デュアルドライバーシステム&HFDMRという前代未聞の温度管理システムを搭載したTC MOD「KOOPOR MINI」をロールアウト、市場への復帰とシェアの奪還を狙います。
今回はそんなKOOPORブランドの第一号機、KOOPOR MINIのレビューです!
こちらはSMOK販売店YOONHEE VAPE STORE様から商品提供をいただきました。
誠にありがとうございます!
SMOK KOOPOR MINI
重量 169g
ステンレススチール製
カラー シルバー、ブラック
出力 1W~60W
対応抵抗値 0.1Ω~3.0Ω(VWモード時)
0.06Ω~2.07Ω(TCモード時)
温度管理機能 華氏200’F-600’F
摂氏100’C-315’C
バッテリー 18650 ×1本使用(別売)
本体過熱保護機能
短絡保護機能
低電圧警告機能
ヴェイピングタイム制限機能
特長
・デュアルドライバーシステム
ほとんどのTC MODは電圧を昇圧または降圧させる回路が単一なのに対して、KOOPOR MINIは昇圧・降圧それぞれに独立した回路を内蔵し、精度、レスポンスともにパフォーマンスの高い温度管理を実現!すごいぞ!
・HFDMR (高頻度抵抗値監視)
アトマイザーの抵抗値を毎秒約4000回にわたりモニタリング。
抵抗値読取速度はなんと0.00025 秒!速いぞ!
・抵抗値誤差調整機能
様々な要因によって引き起こされるコイル抵抗値の誤差を±0.05Ωで調整可能。
KOOPOR MINI側に正確な抵抗値を設定することでより優れた温度管理をサポート!快適だぞ!
ディテール
外箱の中には本体と取扱説明書、お客様カードが入っています。
USBケーブルや充電器は付属していません。
ジオメトリックなデザインが施されたステンレススチール製ボディは質感抜群!
エッジが絶妙なアールにカットされていて、ピッタリと手にフィットします。
結構ずっしりとしています。
本体側面にはパフボタン+2ボタン。
TCモード時は左から電池残量、温度管理モード、抵抗値、設定温度、ボタンロックの有無を表示。
VWモード時は左から電池残量、電圧、抵抗値、ワット数、ボタンロックの有無が表示されます。
スレッドはスプリング式の510。
本体底面にはベントホールとファームウェアアップデート用のmicroUSBポートを装備。
残念ながらこのポートを用いて充電はできません。
ベントホールが40個開けられた電池蓋はマグネット式で容易に着脱可能。
18650バッテリー1本で駆動します。
純正シリコンカバーを装着するとこんな感じ。
ガラリと雰囲気が変わりますね。
使ってみた
というわけで、KOOPOR MINIを1日使用してみました。
パフボタンを押してからのレスポンス、ボタンのクリック感ともになかなか調子が良く、なおかつ見た目の質感や重量感と相まって「使いやすくてカッコいいMOD」という印象です。
気になっていたTCモードは、どれだけチェーンしまくってもイガったり焦げついたりせずワンタンクを吸い終えることができたので今のところ大満足。
後ほどコットンバーンテストをして、その精度を調べてみることにしましょう。
また、メニューモードから様々なパラメーターを細かくセッティングできる点も見逃せません。
面倒であれば上記を全て無視しても問題なく使えますのでご安心を。
コットンバーンテスト
さて、KOOPOR MINIの温度管理機能はちょっと特殊で、温度上限値と温度管理効果という2つのパラメーターによってコントロールします。
温度上限値はその名の通りコイル温度の上限値、温度管理効果は出力するワッテージのレンジ上限をSOFT(6W~40W)、NORMAL(6W~50W)、HARD(6W~60W)の3つから選択し、温度管理効果のかかり具合を調整するといった仕様です。
DNA40のように出力上限ワッテージを任意で設定することはできません。
とりあえずそれぞれのモードで200Fから600Fまでを100F毎に、カットオフが作動するまでの12秒間通電したコットンバーンテスト結果を見てみましょう。
上から順にSOFT、NORMAL、HARDでのテスト結果です。
いずれのモードも200Fから400Fまではコットンに変化は見られず、500Fでやや変色、600Fでより濃く変色しているのが分かります。
モード別に見てみるとSOFTモードよりHARDモードの方がコットンの変色度合いが少なく、ガチガチに温度管理されてるといった印象ですね。
このことから、SOFTモードよりもHARDモードを選択=出力するワッテージのレンジの上限が高くなるように設定するほど温度管理機能が強く作用するという事が分かりました。
これ正直、真逆の結果を想像していただけにちょっとびっくりです。
KOOPOR独自のメカニズムではあるものの、ちゃんと温度管理は機能していると言って良いのではないでしょうか。
総評
手の中にすっぽり収まるコンパクトサイズながら1Wから60WまでのVW機能、実用に耐えうる温度管理機能まで搭載したコストパフォーマンスの良いBOX MOD。
外観、持ち心地、操作性、いずれも納得の完成度。
残念なのはmicroUSBポートからの充電が出来ない点と、ディスプレイが小さくて視認性が低い点。
後者は慣れで解決できますが、前者は充電器を別途購入する必要があります。
また、出先でバッテリー切れを起こした時のためにスペアバッテリーは必須。
こういった事から初心者が持つファーストVAPEとしては若干敷居が高いかもしれません。
しかし手軽に温度管理を体験したい方、すでに充電器とバッテリーをお持ちの方、往年のSMOKファンの方には大変面白味のあるMODだと思います。
ちなみに18650バッテリー2本駆動、200wのハイパワーモデルKOOPOR PLUSが近日発売予定。
中級者層を中心にKOOPOR旋風が巻き起こる日も近いかも!?